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February 2007

古豪気動車を操る~鹿島鉄道運転体験~後編

キハ431の車内には折りたたみのテーブルが据え付けられており、10時になり参加者が揃ったところで車内でオリエンテーションが始まった。ちなみにこのキハ431は加越能鉄道からやってきた経歴の持ち主である。

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体験運転のしおりと参加証

体験運転ができる車両は、その回によって新型のKR-500やディーゼル機関車のDD902、日本最古と言われるキハ600、夕張鉄道からはるばるやってきたキハ714のいずれかになるとのことで、今回の体験車両はキハ714であった。ここでもしKR-500だったらガックリきていたところだ。

簡単に説明を受けた後、いよいよこの車両から降りて、徒歩で検修庫をくぐり抜け、検査中のキハ602を脇に見ながらこの日ハンドルを握らせてもらうことのできるキハ714へと向かう。

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まずはキハ714の周りをぐるりと回って足回りの解説を受ける。鉄板と板バネを組み合わせた台車が特徴的である。「菱枠形台車」というそうだ。

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しかしハンドルを握って実際に動かすのはまだまだ。午前中のメニューは「練習」ということで、まずは車庫内に置かれた特製の運転台モックアップを使って運転操作のレクチャーを受けながらイメージトレーニング。関東鉄道のキハ350でも体験したことを伝えたら、話はスムーズに進んだ。

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この車両もキハ350と同じような自動空気ブレーキだが、階段緩めができないのが大きな違いと教わった。・・・つまり微調整ができないってこと。これはちょっと難しそうだ。

モックアップでのイメトレが終わったら、今度は実車のハンドルを使って再び操作の練習。一番気になるブレーキの感触を確かめる。ちなみにハンドルは木製のレバーではなく、機関車の単弁のような形をした小さめの真鍮製で、初めて見る珍しい形をしていた。

そして、最後に指導運転士さんのお手本で実車を動かす姿を拝見。制動の扱い方はロクサン(の単弁)と同じで、3段制動、シリンダ圧1キロで止めるのが基本の様子。3回の操作で1キロぴったりに入り、そのまま停止位置にビシッと決まるのはさすがプロ。

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午前中のメニューはここまで。再び、最初の集合場所であるキハ431に戻り、車内でお弁当を頂く。ロングシートでお弁当というのも今となってはなかなか巡り会わない体験だ。

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~昼食会場(^^;)~

午後はいよいよお待ちかねの運転体験。約200mの構内線を順番に1人1往復することができるのだが、関鉄と同じく構内を行ったり来たりしている間は乗り降りもできずに、揺りかごのなかでひたすら揺られるしかないので、待ち時間はいささか時間を持て余してしまい、お腹も満たされてウトウトしていた頃、私の番が回ってきた。

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~シンプルな運転台~

実際にノッチを入れてみると、1ノッチでギアが繋がって動き出すまでに結構タイムラグがあり、キハ350よりもっとメカニカルな印象を受けた。ギアが繋がる前にノッチアップをしてしまうとガガガと大きな音を立てて文句を言ったりと、自分が操作していることを肌で感じられるこの感触が旧型車両の醍醐味だ。

肝心のブレーキ操作は、私はロクサンの体験運転でもついブレーキが遅れる傾向があるとおり(ぉぃ)、今回もオーバーラン気味に。ATS地上子まで余裕は5m程度しかないので一瞬ヒヤッとしたりもしながら、往復無事終了。終わってみればあっけないけど満足満足。

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~車内の床は当然板張り~

関東鉄道でもそうだったが、今回も指導してくださった方が親切であったことはもちろんのこと、体験運転が行われている間、構内の3箇所の踏切には3人の係員がずっと張り付いて安全を確保してくださっており、時期的にも決して余裕のあるとは思えない中、こうした鉄道を身近に感じられるイベントを最後まで続けられている姿勢に本当に頭が下がる思いだった。

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古豪気動車を操る~鹿島鉄道運転体験~前編

週末、翌月に廃止になってしまう鹿島鉄道の運転を体験してきた。この体験運転会は昨年の9月に参加した関東鉄道の体験運転会で知り、さっそく申し込んでようやく取れたのが5ヶ月後のこの日の予約。私が申し込んだ数週間後には3月までのすべての申し込みが締め切られており、まさに滑り込みセーフ。

ところで、鹿島鉄道は全国でも今や貴重な古豪気動車が現役で活躍している路線として有名であるが、あまり常磐線方面に出掛ける機会も少ないせいもあり、実は私は見るのもはじめてであり、なおさら興味津々であった。

朝、石岡駅に着き、まず跨線橋から石岡機関区を見下ろすと、おぉ、軽快気動車に混じって見るからに年代物の気動車がトコトコ入れ替えを行っており、いきなりテンションがあがってしまった。

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~新旧色とりどりな石岡機関区~

そして石岡駅は改札はJRとの共同駅であるが、常磐線のホームとは異なり、鹿島鉄道のホームは手書きの時刻表や駅名票、木壁の待合室など、昭和の面影を色濃く残す雰囲気。

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~味わい深い時刻表~


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~のどかな雰囲気漂うホーム~

ホームの駅事務室で受付を済ませて体験運転のしおりと参加証を受け取り、構内踏切を渡って向かうは「運転体験会場」の看板とステップが据え付けられて構内に止められている80系湘南電車のような緑のキハ431。運転するのはこの車両なのか・・・?

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~「運転体験会場」~


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車内には折り畳みの机が並べられ・・・

10時の開始時刻までまだ時間があったので、せっかくのチャンスなので構内でパチリパチリ。廃止を間近に控え機関区の構内見学は受け付けていない状態にあって、体験運転参加者は構内撮影ができてしまうといううれしい「おまけ」が付いていた。

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~緑の431の相棒である橙の432~


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~検修庫越しに~

そうこうしているうちに10時になり、参加者も揃ったところでいよいよお待ちかねの体験運転メニューが始まった・・・続く。

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ロクサン重連!

■EF63体験運転 第56,57回【重推】

約3ヶ月振りに横川へ。第2土曜日は1ヶ月に1度の重連推進運転の日。すでに単機推進を5回こなし、重連運転の資格を獲得しているので、このチャンスを狙ってみた。

文化むらに到着してまだ出足もまばらな駐車場を見渡すと、あれ、どこぞのブログでよくお見かけしている青いクルマが所定位置に・・・受付で名簿を確認するまでもなく、おなじみのYUUMINさんもお出ましだと分かってしまった(^^;

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~24号機+12号機の組み合わせ~


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~峠に向かって~

これまで体験運転に来るときのロクサンは当然のことながら単機だったので、重連で動く姿を見るのは横軽が廃止になって以来の10年振り。ロクサンといったら、どうしたって基本は重連ですよ、重連。それだけでも結構感動モノなのに、そして今日はついにコイツを動かすことができる!ということで否が応でも感慨を覚えてしまった。(まぁ軽井沢方の補機のモーターは切ってあるんだけど、ジャンパ栓はつながってるし、この際それは些細なこと。)

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~貫通路から見た連結面~


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~パンが4つ上がる様は壮観~

YUUMINさんが添乗し、軽井沢方運転台の旗振りさんの先導で発車。単機だと1ノッチ投入でノソノソと動き始めるロクサンも、今日は3ノッチまで入れないと動かない。SPまで入れても鈍い加速に思わず頑張れ、と声をかけたくなる。坂を下る際も、後ろから押される感覚が椅子から伝わってきて、わずか400mの間でも100tの重みを背負って上り下りすることを実感できるのはさすがホンモノ、と今更ながら改めて実感。

この日はこのあと、都合4コマばかり添乗させて頂き、初めての12号機での乗り心地を堪能したり、重推連結のお手本を見せて頂いたりと長居をしてしまった。

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~補機からの眺め~


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~12号機の運転室~

添乗の合間に外からの写真も。

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~現役時代の回送を彷彿とさせるシーン~

園内に目を移すと、色あせが激しかった保存車両のうち何両かは塗り直しの手が入れられていたほか、軽井沢方の留置線で昨年秋から始まった11号機のお色直しも顔の塗装は概ね完了している様子。春頃に営業運転に復帰だろうか。もういちど茶ガマリバイバルでもよかったかも(塗り分けの手間が省けるだろうし。ぉぃ)

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~化粧の最中を覗き見るのは失礼ですが、、、(^^;~

今回の体験運転は冒頭に書いたように過去最長のインターバルとなる3ヶ月振り。別に横川から心が離れたとかそういうことではないけど、この間にあれこれあり、正直なところこの日もなんとなく100%乗り気だったわけではなかった。しかしYUUMINさんのおかげもあって結果として回数を重ねているなかでも強く印象に残る日になったと同時に、特に、このところごぶさたしている先生にお会いして「しばらくぶりだね」という一言二言の話のなかで、やっぱり止められないなぁ・・・と思いを新たに帰路についたのであった。

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