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SL機関士へGO!~三笠鉄道村体験運転~

■S-304蒸気機関車体験運転 第1~3回

午後、いよいよ本物の蒸気機関車を相手にハンドルを握る時間がきた。運転するのはS-304という、昭和14年製のC型タンク機関車。工場入換用に製造された機関車のため小振りな車両だ。鐵原コークスで使われていた名残がいまも側面に残っている。

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~編成はトロッコ2両をつなげた3両編成~


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~先・従輪はなく、全て動輪~

まずは詰所にお邪魔して、貸与されるナッパ服に着替える(上から羽織る)。ロクサンでもナッパ服を着ようと思えば着ることもできるが、逆に着なくても支障はない。しかしこちらは火を取り扱うSL。服が汚れること以上に、火傷などの事故防止のためにもナッパ服着用は必須だ。

しかし、これを着るだけでもそういう気分にさせてくれるから、制服とは不思議なもの。さらに帽子と軍手ですっかり気分ができあがったところで、いよいよキャブへ上がらせてもらう。

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目の前で燃えさかるボイラーの炎がまさしくSLの命。その熱を直接肌に感じながら、指導の先生から操作方法のレクチャーを受ける。とりあえず体験運転で操作するのは、

・汽笛
・加減弁(自動車のアクセルのようなもの)
・逆転機(自動車のミッションのようなもの)
・排水弁(ドレインを切るためのもの)
・ブレーキ弁

の5つ。注水弁の操作や投炭は同乗の機関助士担当の先生がしてくださる。

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ちなみにブレーキはロクサンと同じく単弁と自弁があり、ここでは単弁のみを用いて制御する。1kg/cm3が基本なのはここでも同じで、何回か操作して感覚を掴む。

そしていよいよ、逆転機を前に倒して前進位置へ。排水弁を閉じ、出発準備完了。後方確認ののち、汽笛一声。この汽笛も蒸気機関車ならではの、力強くも哀愁を感じる音色だ。最後にブレーキを緩解し、加減弁を開くと、S-304はドラフトと共にゆっくりと動き出した。おぉぉ~、小振りといえども、立派な蒸気機関車。操作に追われてあたふたしながらも、かなり感動。

しばらく加速をつけたら逆転機を少し中立側に戻し、次に通行人に蒸気を浴びせない場所で排水弁を操作して、ドレインを切る。と、ほどなく停止目標が近づいてくるので、加減弁を閉じ、逆転機を前に戻して、単弁で停止。

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~機関室からの前方の眺め(ワイパーはない)~


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~身を乗り出すとこんな感じ~

そして帰りは、逆転機を後進位置にして同じ操作で戻るというのが、一連の体験運転の流れである。

・・・いまは、こうして自分の復習を兼ねて思い返しながら冷静に書くことができるが、実際は、先生から飛んでくる指示に従ってハンドルを操作するのがもう精一杯であった。しかし、迫力あるドラフトといい、ドレインを切る音といい、直に火を燃やしているエネルギーの塊を相手にしている実感はものすごいものがあったのは確かである。

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そして、この日は私のほかに4人の方が体験運転に訪れてきており、私以外は経験者の皆様だったので、ちょっと失礼してキャブに乗ったまま勉強させていただいていたのだが、お話を伺うと実は4人とも関東の方。しかもロクサンの本務機関士ということでびっくり。鉄道文化むら・北海道運転会場の様相を呈してしまったようだ(^^;

ちなみにここの良いところは、とりあえず運転時刻の決まりはあることにはあるが、トロッコにお客さんを乗せるとき以外の空いている時間なら、実際は機関車の機嫌(蒸気圧の加減)次第で乗りたいだけ乗れること。ただし、運転すればしただけお金はかかるので、調子に乗りすぎると危険な一面も孕みつつ(^^;)、横川と違っておいそれと気軽に来れる場所ではないので、満足行くまで乗って帰ることができる。

ということで、私は結局この日は初回を含めて4回乗務(初回は「練習」ということで無料)。しかしここで「本務」を目指すのはさすがにキビシイ。

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