今日の寝台ははやぶさ編成の2号車11番。A寝台1人用個室シングルデラックス。まだ北斗星もトワイライトもなく、ブルトレといえば九州行きを指していた子供の頃に「ホテルのような寝台車があるらしい」と憧れていた車両。ついにやっと乗ることができた。
喧噪の東京駅を抜けて、個室で一息ついていると、車内放送が始まった。
はやぶさ・富士号東京駅出発車内放送(2,2M)
あらためて個室に目を戻すと、製造から30年が経っている車両とは思えない位に意外とこぎれいというのが第一印象だ。しかし、やはり昭和の重役が出張で使っていたというような感じの、どことなくレトロな香りが漂っている。
ちなみにこの寝台、なかなか芸が細かく、両端の肘掛けを下ろすと背もたれが出っ張ってきて腰を支えてくれる。また、寝るときにはレバーで座面をせり出させて寝台幅を広げることができるのだ。そして、寝台の下には非常脱出用のハンマーまで備えられているのが時代を感じる。
また、テーブルを持ち上げると簡易式の洗面台も付いている。いまや珍しくなってきた手を離すと止まってしまうバネ式の蛇口もここでは現役。
洗面台が付いているので、A寝台では検札のときにタオルが配られる。この日は車掌区特製の記念カードもついていた。
デッキに目をやれば、車掌室が車端にあるのもA寝台の証。
また、廊下に靴磨き用のブラシが備えられているところに昔の気品を感じた。
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