« February 2010 | Main | June 2010 »

May 2010

復活!?幌内線 三笠トロッコ鉄道を行く

今回の三笠訪問のもうひとつのお目当てが、つい先日から運営が開始された「三笠トロッコ鉄道」でした。

旧三笠駅(現クロフォード公園)から旧幌内駅(現鉄道記念館)に至るまでの線路は、将来の活用の可能性に賭けて長らく保存されてきていましたが、ついに日の目を見る日がやってきました。

100515mikasa07

今線路が残っているのは、公園から道道を挟んだから先となっています。道道沿いに廃業したガソリンスタンドの店舗を活用した受付があるので、そこで乗車を申し込みます。運営主体はカラマツトレイン。店内にはちょっとあやしげな鉄道用品も並べられているのが本業ですね。

線路を走ることができる車両は何台かあり、軌道バイクや軌道モーターカーへの同乗などが選べるようになっています。モーターカーに牽かれるトロッコ車両は人数が多いときに出動するようです。また、軌道バイクの乗車には運転免許が必要となっています。

受付をすませてレールのあるところまで移動すると、いろいろな車両が待機していました。

100515mikasa09

手製の転車台を設置し、簡単に配車ができるようになっています。

100515mikasa08

そのなかでも目を引くのは、やはりモーターカーとトロッコ。特にトロッコ車両の方は、聞くところによれば温根湯森林鉄道で使われていた客車が、幾多の奇跡を経て今日の復活に至ったものだそうです。

100515mikasa10

私は軌道バイクに乗車。小型のエンジンを搭載し、手元のスロットルと足元のブレーキでスピードを調整するようになっています。いざ出発すると、これが意外とパワフルなので、スリルのある体験ができます。

100515mikasa11

ただ、もとはきちんとした鉄道の線路を活かした軌道ですから、ジョイントの音も小気味よく伝わってきて気分が良いです。

約10分かけて、鉄道村の敷地の手前まで行くことができます。トロッコ線の終点では、転車台を使って方向転換。途中ですれ違いができないので、何台かでまとめて出発して、ここで一斉に折り返して戻る形になっています。

100515mikasa12

残されている中継信号機も、よいアクセントになっています。軌道は相当傷んでいる様子でしたが、それでも残された形のままで「復活」できたのが良かったなと思いました。

100515mikasa13

これがまちの活性化の一助となり、さらに良い方向で発展していくことを願っています。

100515mikasa14

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2年振りのSL体験運転

■S-304蒸気機関車体験運転 第9~15回

ということで、寄り道をしながら三笠鉄道村へ到着しました。かれこれ2年半振りの訪問です。

100515mikasa01

すでに午後からの体験運転が始まっており、S-304が汽笛を鳴らし、黒い煙を上げながら元気に構内を往復していました。私もさっそく控え室でナッパ服に着替えて「変身」します。

この日は私のほかに、名古屋にお住まいながらすでに50回以上をこなしているベテランの方1名、この日初回講習を受けた3名とご一緒しました。

ここでは、特に時間や回数がきちんと決められている訳ではなく、みんなでキャブに乗りながら順番にハンドルを握らせてもらうことができます。特にSLは動きがあるので、ほかの人の運転操作や、投炭の様子を間近に見ているだけでも臨場感があります。ただ、運転回数が多くなればその分、釜の状態を保たなければならない機関士さんが大変なのですが。

100515mikasa03

釜を開けたときの熱気は、ナッパ服を着ていても大変熱く伝わってきます。そのうち投炭もさせてもらいたいと思うのですが、機関士さん曰く、素人にやらせるとスコップごと釜に放り込んでしまわないかヒヤヒヤするんだとか。

100515mikasa04

私は2年半のブランクがあるので、とりあえずしばらくキャブで様子を見ながら運転操作を思い出すことにしました。後ろのトロッコにお客さんを乗せて走るときは、もちろん本職の機関士さんが運転します。

ベテランの体験者さんも、さすがスムーズな停車です。

イメージをふくらませて、いよいよ自分も運転席に座らせてもらいます。動かすのは逆転機、加減弁、ドレインコックそしてブレーキ。わずか300mの間に加速から減速までの一連の操作を行うので、あっちこっちのレバー操作で息をつく暇もありません。少しでも操作が遅れると、最後のブレーキの遅れにつながってきてしまいます。

久しぶりに運転してみて、やはり停車が難しい!!なかなかブレーキが言うことを聞いてくれず、思った場所に止まらずに苦労しました。ただ、SLは動力の息づかいがそのまま伝わってくる感じが、他の車両にはない魅力だと改めて感じます。

100515mikasa02

現在体験運転できる距離は構内の300mですが、その先に残されている引き上げ線の軌道の整備が行われていました。どうやら少し距離を伸ばす準備のようです。引き上げ線は上り坂になっているので、再加速などまた違った運転方法が加わることになるのでしょうか。次回の訪問が楽しみです。

100515mikasa06

休憩を挟みながら、お財布の許す範囲内で思う存分ハンドルを握らせてもらい、三笠を後にしました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

富良野と幾春別炭坑跡と

昨年のウォン安に乗じて購入した韓国発日本行き航空券。東京で途中降機した状態のまま有効期限が迫ってきたので、その消化を兼ねて旭川へ。

詳しくは割愛しますが、なんの制約のない普通運賃ながら東京から北海道を特割で往復するのにプラスαくらいの金額で、韓国旅行も付いてしまうお得な航空券になっています。こういうのがあると、国内線の航空運賃がちょっと高すぎに感じます・・・

それはともかく、今回は2年振りとなる三笠鉄道村でのSL体験運転が目的です。

三笠へはレンタカーを使用して富良野経由で。天気があまりに良かったので、美瑛のあたりで写真を楽しみながら向かいました。

100515furano01

ラジオからは札幌でお花見・・・などと聞こえてきます。北海道はやっと春が訪れた、そんな季節でした。

100515furano02

富良野線の超有名撮影地、通称すり鉢でも1枚。ただ、最近になって目障りなキロポストが立ってしまったようです。

100515furano03

富良野からは桂沢湖を経由して三笠へ向かいます。その途中の幾春別では幌内線の駅跡を見るためにちょっと一休み。駅跡といってもすっかり整地され、周囲に新しい建物も建てられています。割と最近まで跨線橋が残されていたようなのですが、その跡もなく、バスの待合所に整備された広場の一角に建てられた石碑のみがその痕跡を伝えています。

100515furano08

ここ幾春別も炭坑として栄えた街です。後ろを振り返ると、街の中心に、竪坑の後がそびえ立っていました。

100515furano04

引き寄せられるようにそちらへ向かっていました。そしてその圧倒的な存在感に、夢中にシャッターを切ってしまいました。

100515furano05

ワイヤーかなにかがぶつかっているのでしょうか、静寂のなかで時折風に吹かれて聞こえてくる物音が、不気味でもあり、まだ創業をしているかのような錯覚を覚えました。

100515furano06

木々の間から、炭坑創業の営みの跡が見えます。葉に覆われないこの季節に来て、ちょうど良かったようです。

100515furano09

ここで意図せずして時間を取ってしまいました。SLの運転時間もあるので、先へ急ぎます。

100515furano07

| | Comments (0) | TrackBack (0)

フランスでSLに乗る-ソンム湾鉄道の旅 4

帰りもSNCFの接続駅であるNoyellesまで乗車します。先ほどと同じ編成で、後ろの方には少しきれいな客車も連結されていますが、団体専用車両となっていました。

100502france34

来たときと同じ深緑色の木造客車に乗り込みました。こちらの方がよほど味があります。

100502france33

整備を整えた機関車は側線を通って機回しを行い、最前部に連結して出発準備完了。

100502france35

今度は機関車の真後ろに陣取ることになります。客車はオープンデッキが付いており、機関室が真ん前に見えます。当然カマ焚きの様子も間近です。

100502france36

定刻より遅れること約10分、甲高い汽笛を上げてNoyellesに向けてゆっくりと出発しました。機関士さんを見ていると、三笠や鉄博のシミュレーターで体験したのと同じく、加減弁と逆転機の2つのハンドルで操作していました。SLの基本は変わらないのですね。

100502france38

時折抑揚のある汽笛を鳴らしながら、緑の風景の中をゴトゴトと進みます。

100502france37

すると、やがて遠くから同じような汽笛の音が聞こえてきました。その音はだんだん近づいてきて、お互いに挨拶しあうかのように、汽笛のやりとりが始まりました。


※急なことだったので、アングルが乱れますが雰囲気をお楽しみ下さい。

スイッチバック駅であるNoyellesの手前で、もう一方の始発駅Saint Valery sur Sommeから来る列車が同時に入線するダイヤになっていたのでした。そのため、駅手前で併走シーンが。こんな光景、なかなか見られません。

100502france39

向こう側にもたくさんの観光客の姿が。お互い手を振り合います。こちらは赤色の機関車で、向こう側は深緑色のこれまた味のある機関車。そして客車もレトロな木箱のような客車を連ねています。

100502france40

ほぼ同時にNoyellesに到着。しかもここで、パリ行きのSNCFも同時に入線(汗)

そもそも、こちらの列車の到着予定時刻が15:30で、パリ行きのSNCF出発時刻が15:27。ダイヤどおりなら間に合うはずはないのですが、ソンム湾鉄道のダイヤがアバウトなのと、SNCFが少し遅れ気味だったので、微妙なタイミングに。SNCFを使って乗りに来る客などいないので、もともと接続なんか頭にないようでした。

しかしこれに乗らないと、次のパリ行きまではなにもない駅でまた2時間待つことになるので、デッキから飛び降りてダッシュしてみます。構内踏切を抜けて、最前部の車両に乗り込み終わったと同時に車掌さんの笛が鳴りました。こんな田舎でこんなスリリングな乗換をすることになるとは思いもよりませんでした。(下の写真はAmiensにて。)

100502france41

ただ、この列車に乗れたおかげで、Amiensでも途中下車をして大聖堂を見物するおまけも。

100502france43

充実した日帰りトリップで、夜のパリ北駅に戻ることができました。

100502france42

| | Comments (0) | TrackBack (0)

フランスでSLに乗る-ソンム湾鉄道の旅 3

Crotoyに到着しました。

100502france20

Noyellesでの閑散とした感じとは打って変わって、前の方の車両からたくさん人が降りてきてびっくりです。どうやら観光バスもしくは車で遊びに来て、ちょこっと乗ってみるという人がほとんどのようです。

100502france19

ここで折り返し時間が2時間あります。機関車は列車から一旦切り離しされ、構内で再び人力による方向転換が行われます。

100502france21

そして、石炭の補給と給水を行い、次の運転に備えます。

100502france23

こじんまりとした終端駅。

100502france27

駅舎もおとぎ話に出てくるような石造りの小さな建物です。

100502france24

内部には、昔の出札をイメージした展示があります。実際の乗車券は併設されている売店で販売しています。また、Tシャツやマグカップ、書籍などのグッズも販売されていました。

100502france25

近くの海で水遊びをするのでしょうか。待合室で長靴に履き替える若者達を見掛けました。

100502france26

こちらも次の発車まで時間があるので、駅の周りを少し歩いてみることにしました。

100502france28

この日、パリを出るときに見た天気予報は降水確率80%。しかし奇跡の天候に恵まれ青空が映えます。

100502france29

しばらく歩くと、海に出ました。

100502france30

ここはちょっとした港町。観光客でしょうか、海産物を買い求めています。

100502france31

ホタテの水揚げなども行われていました。

100502france32

そのうちに帰りの列車の発車時刻が近づいてきました。またCrotoyの駅に戻ります。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

フランスでSLに乗る-ソンム湾鉄道の旅 2

ほかに列車を待っている人もおらず、出発時刻が近づいてもなんの気配も感じられず、不安になってきたとき、遠くから甲高い汽笛が聞こえてきました。

その汽笛がだんだん近づいてきて、やがてマッチ箱のような客車を連ねたかわいらしい赤いSLがゆっくりとその姿を現しました。

100502france10

まるで絵本に出てくるようなかわいらしい列車です。

100502france11

この鉄道は中間駅であるNoyellesでスイッチバックを行いながら、Le CrotoyとSaint Valery sur Sommeを結ぶ路線になっています。そのため、ここで機関車の方向転換と機回しがあります。方向転換は、線路の終端にある小さな転車台で、人力で行います。

100502france13

機関車の付け替えが済むと、やがて出発になります。このNoyellesから乗るお客さんはほかにはおらず、皆通しで乗車しているようです。

とりあえず最後部の一番古めかしい木造の小さな客車に乗り込みます。

100502france12

車窓はすぐに田園風景に変わり、まるで「世界の車窓から」の世界に入ってきました。

100502france14

しばらくして車掌さんが巡回してきました。車内で乗車券を買い求めると、車内補充券のようなもので切符を発行してくれました。「どこから来たのか?」と聞かれたので「日本から」というと大変驚かれました。まー物好きな日本人がついにここまできたか、という感じだったでしょうか(w

こちらフランス語ほとんどわからず、英語通じずで、苦戦しながらのコミュニケーションでしたが、車掌さんの名刺まで頂戴してしまいました。なんでも本職はオーケストラの指揮者をされているそうで、恐らくボランティアで運行に携わっているのでしょう。さすが保存鉄道です。

100502france16




100502france17

20分ばかりゴトゴトとゆっくり走り、列車は終点のCrotoyに到着します。

100502france18

| | Comments (0) | TrackBack (0)

フランスでSLに乗る-ソンム湾鉄道の旅 1

仕事が忙しかったり、体調崩してたりしてたら、しばらく間が空いてしまいました。

さて、GWにフランスへ行ってきました。フランスではパリとかモンサンミシェルを歩いたりもしましたが、できたら小ネタ系でひっそりいきたいと思っているブログなので、ここではちょっと変わった場所を紹介します。

フランスではパリをベースに行動していたのですが、パリから日帰りで適当に「鉄」できる場所はないかと探していたところ、フランスにもSLが走っていることを知りました。その鉄道の名はソンム湾鉄道(Chemin de Fer de la Baie de Somme)。なんでも、一度廃線になった路線を愛好家団体が復活させて走らせている観光鉄道らしいのです。これは、ということで足を運んでみることにしました。

そのソンム湾鉄道との接続駅であるNoyelles(ノイエル)という駅に行くICに乗るために、パリ北駅に向かいます。

100502france01

北駅はTGVやThalys、Eurostarなどが集まり、賑わい溢れる駅です。

100502france02

そんな高速列車に混じって、重厚な電気機関車に引かれた客車列車も発着しています。花形列車に目を奪われがちですが、客車列車もまだバリバリ現役で活躍しているところが魅力でもあります。

100502france03

乗車する10:07発のBoulogne行きICも客車列車。揺られること2時間弱の小旅行です。

100502france04

パリを出発するときは電気機関車の牽引ですが、途中のAmiensで電化から非電化区間に入るための機関車交換があります。

100502france05

到着したNoyellesは、小さな駅舎と構内踏切がある棒線駅。

100502france06

わずかな乗客を降ろして、すぐに列車は次の目的地へ向けて去っていきました。

100502france07

この駅に次に来る列車は4時間後のパリ行きまでありません。一緒に降りた乗客も、迎えの車でやがていなくなり、駅の周りには再び静寂が訪れました。

100502france08

駅前には狭軌の線路が引かれていますが、あたりには人の気配がありません。この鉄道の事務所らしき建物があるにはあるのですが、中に係員の姿も見あたりません。果たしてホントにこんなところにSLがやってくるのか、不安になってきました・・・

100502france09


| | Comments (0) | TrackBack (0)

« February 2010 | Main | June 2010 »