とまぁ、ここまで自然のすごさを目の当たりにしただけで、消化不良のまま台北に戻り、台湾の最終日を迎えてしまった訳で。
さすがにこのまま帰ってしまうのもどうかと、午後の飛行機までの間に、桃園から出る林口線に乗ってこようということになりました。この林口線、桃園から出る枝線なのですが、運転されているのは平日だけ、しかも朝と夕方に1往復ずつというマニアックな路線です。
桃園を6:55に出る朝の列車に間に合うように、5:58に台北を出発。

早朝の下り列車なのでガラガラかと思いきや、すでにそれなりに朝の通勤客が乗っていました。

区間車で揺られること30分と少し。桃園に到着。

林口線は少し離れたホームから出発し、一旦改札を出て、右の方にある「桃林鐵路」という看板に沿って乗り場まで進みます。

実は、この林口線で運用されているのはDR2510系という台湾でも1編成しかない特殊な車両のはずで、それに期待して早起きして頑張ったところもあったのですが・・・

止まっていたのは台湾ではオーソドックスなDR1000系。検査時の代走にあたってしまったようです。とことんツイてません。しかし、この車両も日車が製造しただけあって、日本で走っていても全く違和感のない外観です。
この林口線、沿線中学校への通学列車としての役割が主のようで、発車間際には学生で満員となったかと思うと、次の桃中駅で一気にガラガラになりました。朝7時から通学とは大変ですね。
学生を降ろして淋しくなってしまった列車はそのあとも先に進み、特に軌道も線形も悪くなさそうなのですが、なぜかずーっと20~30km/hしか出さずに住宅街やら工場地帯やらのなかをゆっくり走ります。1日2本しかない列車でも途中駅からいくばくかの乗り降りがありながら終点海南に到着。
・・・ところが、終点に到着したはずなのですが、ここまで乗っていたほかの乗客は誰も降りようとしません。しかも時刻表上ではこの駅で13分停車して折り返すように見えるのですが、そのまま乗っていると列車のドアはすぐに閉まり、進行方向を変えずにそのまま動き出してしまいました。
よくわからないまま車窓に海が見え始めたかと思うと、しばらくしてホームもなにもない線路の途中で再び停車。車内で運転士さんと車掌さんが交替し、進行方向を変えて今来た道を引き返し始めました。

列車の乗客も平然とカメラを構えて車窓を撮ったりしてます。一見して観光客でもなく、みんな鉄オタ(wとも思えず普通の人なんですが、平日の朝からなにやってるのか・・・。列車の動きといい、線路の向かっている先といい、不思議な乗客達といい、謎の多い路線でした。しかも、この列車、無料なんです。

ちなみに交替のときの運転士さんが日本の列車と同じブレーキハンドルを持っているのを見て、運転台を見に行ってみると・・・おお、マスコンとブレーキの位置こそ逆ですが、運転機器も日本のそれと変わらないじゃないですか。これなら私にも運転できる(www

と、そんな異空間を感じて桃園へ戻ってきました。桃園の駅も、屋根の造りとか、雰囲気に親近感を感じます。

台北までは客車列車の復興号で。これで一応、台湾の新幹線、電車、気動車、客車を乗ったことになるので、それなりに鉄分補給ができたと考えるべきか。

台風の影響か、帰りの飛行機は所定のB767から、退役間近のB747に機材変更されており、恐らくこれがJAL国際線ジャンボの乗り納めになるだろうオマケもつきながら、帰国の途になりました。

今回、予想外のハプニングに見舞われましたが、想像以上に手軽に深く楽しめる場所だということが分かったので、またふらっと来てしまうかもしれません。
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