新緑のアルザスを訪ねて~ミュールーズで"鉄博"~
シュトゥットガルトを後に、カールスルーエ、オッフェンブルグを経由しながら、今晩の宿のあるストラスブールを目指しました。
オッフェンブルグでは、ICEの長大編成からローカルの2両編成への乗り換え。
ここのドイツ・フランスの国境は、一部TGVなども走ってはいますが、基本的にストラスブール~オッフェンブルグ間のローカル列車で結ばれています。国境といってもパスポートコントロールもなく、国境のライン川を渡るといつの間にか駅のマークがSNCFに変わっている、そんな感じです。たった1駅違うだけで、表記も会話もフランス語に変わっている。改めてこれは馴染みのない感覚です。
翌日はストラスブールからミュールーズへ。
ミュールーズには、フランス最大の鉄道博物館があります。近年トラムの整備が進むに合わせて、駅前から出る3番系統で直接行くことができるようになりました。
トラムのある街は、初めての来訪でも大変便利です。レールがあることによって、最悪振り出しに戻ってこれるという安心感。地下鉄と違って歩いているのと同じ目線で、ほどよいスピードで街を眺められること、また、トラムはだいたい中心部を通っていますから、乗ってしまえばとりあえず賑やかなところへ出られるということもあります。
旧市街の狭い路地を抜け、近郊部の広幅員の道路を走ると、さらに途中から併用軌道を抜けて、SNCFの線路沿いに単線の専用軌道を軽快に走ります。
博物館のある駅はその名もミュゼ駅。ちょうど黄色のトラムと銀色の車両が行き違っていました。
この銀色の車両はトラムトレイン。この先のトラムの終点からさらにSNCFの線路に直接乗り入れ、郊外電車の役割も果たすことができるスグレモノ。郊外の駅から街の中心部へダイレクトに移動できたら、便利ですよね。
なにもない駅前広場から伸びる一本道をしばらく歩くと鉄道博物館につきます。特に案内標識はありませんが、遠くからでもよくわかります。
入場料10ユーロを払って展示室に入ると、見た目のポップさとは打って変わって、目が慣れるまでにしばらく時間がかかります。この黒い室内でライトアップする展示方法は日本の鉄道博物館と同じですね。重厚な機関車がさらに重厚に見えます。
転覆事故の再現でしょうか。近くで見ると、それなりにショッキングな画です。
ところでこの展示室内、見ての通り相当な暗さですが、ワイド端f.1.8、さらにテレ端でもf2.5の明るいレンズを持つオリンパスのXZ-1が役に立ちました。手ぶれ補正もよく効き、ISOを低くしたまま1/10でもなんとか手持ちでもいけます。
今回の旅行では写真はすべてXZ-1で撮っていますが、自分で写真が上手くなったんじゃないかと勘違いするほどすばらしい画を出してくれることが多々ありました。逆光などの悪条件にも強く、この旅行のためにわざわざ買った甲斐がありました。逆に半端なく使いにくいところもあるので、良くも悪くも個性的なカメラです。これがあれば少なくともKissクラスのデジイチは持ってくる必要を感じませんでした。
展示室を出ると、普通の車両展示。ここも歴代の名車がずらりと並べられていて、見応え満点です。
パシフィック231形蒸気機関車。
パシフィック231といえばオネゲル。蒸気に包まれる駅舎の情景が思い浮かぶかのような重厚なイントロが印象的な曲ですが、そのメロディーとこれが走る様をラップして想像してしまいました。
高速特急ができるまでの花形、TEEも編成で展示してあります。
とにかく車両マニアにはたまらないであろう博物館でした。鉄道はやはり国全体の文化であり技術であり歴史ですから、日本でも自社に関係する車両しか関心がないような場所ではないところがほしいと願うものです。
再び市内に戻りながら、トラムの写真を。
ここではアーチがLRTの電停のシンボルになっていて、遠くからもはっきり電停の存在がわかります。また、架線のポールとしても機能していて、すっきりまとまっているのが特徴です。
旧市街にはいかにも元々車道だったところを路面電車の専用空間にしてしまったというところも見受けられます。地元でこういうコンセンサスが得られることが、トラムの普及には欠かせないんでしょうね。
車があふれていたと思われる目抜き通りが、LRTのジャンクションに変わってしまっています。
そして鮮やかな緑のなかを走るトラム。
いかん、完全にLRTオタクになってきてる。
申し訳程度に、カテドラルの写真もはっておきます。
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Comments
各鉄道会社毎にひとつずつ博物館があるのも楽しくてそれはそれで好きだなぁ。
一編成まるごとあるのは羨ましいね。
でもフランスだからLRTの電力ってやっぱりアレがメインなんだよねぇ。
Posted by: こんどう | 2011.05.17 12:08
やっぱりアレでしょうねぇ・・・
コメント頂きましてホッとしました。ようやく少し落ち着かれ
たのでしょうか。
Posted by: ON | 2011.05.18 01:21