12時間半のぜいたく~青森→上野 あけぼのA個室の旅~
青森への所用の折り、週末にかこつけてこんなもので帰ってきた。
現在、東北と東京を結ぶ寝台列車として唯一残るあけぼの号。東北にもこれだけ新幹線の魔の手(←※ここはヲタ視点)が伸びてきたなか、生き延びているのが奇跡ともいえる列車。
この青い列車が止まっているだけで、駅にも風格が出る。
青森から東京といえば、すでにはやぶさで3時間半。あけぼのが発車した後でも新幹線に乗れば、その日のうちに東京まで着いてしまう。そこをあえてのんびり12時間半かけていくまさしく汽車旅。
赤一色に身をまとい、いかつい顔をした機関車と、誇らしげなヘッドマーク。
そして今夜のお宿はこちら。
奮発してA個室をチョイス。
昭和4,50年代がそのまま走っていた寝台特急はやぶさのA個室に比べると、ずいぶんリノベートされているが、それでも時代を感じさせる個室。小さなブラウン管テレビで上映されていたのも、「寅さん」と「釣りバカ」ですから。
これで実は料金はあのグランクラスより上。グランクラスがすごいすごいっていうけど、実はすごくおトクな席なんじゃないのという気がしてくる(←完全に錯覚)。時間もお金も掛かるのを好きこのんで選ぶって、物好き以外何者でもない。
逆に、ゴロンとシートもコスト的には魅力的。開放B寝台と比べてしまうと、毛布・シーツ・まくら・浴衣のレンタル代が6千円というようなもので、開放B寝台の位置付けがもうわからない。
あけぼのは定刻に発車し、ご丁寧に新青森にも停車しながら、奥羽線回りで一路上野を目指し始めた。
すでに寝台モードにセットされたベッドに寝っ転がり、規則的なジョイントを聞きながら暮れゆく空を見上げている時間は贅沢を感じるひととき。
夕日に染まる岩木山を眺められるのもこの時期ならでは。
そしてあたりは次第に漆黒の闇へと変わっていく。
外には時折踏切の音と光が流れていくだけ。
yanokamiのNight Train Homeを聞いていたらいつの間にか眠りに落ちていた。
気付くと東京の朝、いつもの朝。
途中酒田で30分の遅れを出しながら、定刻に到着。
夜行列車で上野駅に降り立つと、独特の雰囲気を感じる。自分も昭和生まれの日本人だね~
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