鉄道体験運転

ぼくはローカル線の運転士 ~りくべつ鉄道体験運転 銀河コース~

■りくべつ鉄道体験運転 銀河コース第4回

昨年はいろいろヤボ用が重なってしまってしまい、2年振りの陸別訪問です。ただ、今回は日帰りなので、せっかくの北海道なのに忙しいスケジュール(@_@)

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体験するのは今回も銀河コース。1.6kmもの距離にわたって本物の気動車を運転できるというのは、子供の頃の夢を叶えてくれる、まさにプライスレスのプログラム(3万円)。そして今年は実質4割引になる北海道旅行券が使えて、さらにオトク。

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女満別空港からレンタカーを走らせ、受付にたどり着いたところ、窓口の方から「ちょっとお願いが・・・」と切り出されてしまい、なにかと思えば「できたら乗車してみたいという方がいるんですが、体験運転中の車両に一緒に乗ってもらってもいいですか?」とのお話。そんなことならと、もちろん快諾させて頂きました。(りくべつ鉄道のルール上、同行者の同乗は可能ですので、要は私がOKすればいいだけの話。)

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ということで、聞けばはるか九州から北海道を旅行中という年配のご夫婦を「お客さま」としてお乗せして、かつての本線をハンドルを握ってのんびりゴトゴトと走っていると、本当に自分がローカル線の運転士になったような気分になってきました。

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体験施設としてこの規模は、さすが北海道といったところでしょうか。

りくべつ鉄道という形でふるさと銀河線の車両が息を吹き返してから、もう7年が経ちました。最初は構内の往復からスタートした営業も、順調に展開を見せ、今年の9月23日にはついに分線駅までの体験乗車が計画されています。

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ついでに沿線を探索してみると、分線駅のホームはすでに跡形もありませんが、線路は草刈りを済ませて復活運転の準備が進んでいる様子がうかがえました。

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一方、りくべつ鉄道の計画当初はここまで伸ばす予定だったった川上駅の跡。いまは夢の跡です。

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一昨年の訪問時には駅舎が撤去され、その代わりに現場事務所が置かれている状況を見てショックを受けましたが、いまはその現場事務所すらなく、自然に還ろうとしていました。ホームだったコンクリートの土台と、寂しくとり残された駅名票の外枠が、かろうじてここに駅があったことを伝えるのみです。

そして、そもそも周りに家一軒ないこの地。誰も乗るあてのないバス停もいずれ無くなる運命にあったのでしょう。バス停すら廃止されてしまいました。

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また、分線-川上間の橋梁も撤去され、路盤の跡には高圧鉄塔が建てられていました。言われなければここにレールが敷かれていたとは、もう気付かないような状況になっています。

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同じ場所で撮影した廃止間近(2006年4月)の写真です。川沿いにカーブして線路が走っていました。

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りくべつ鉄道 銀河コース運転のたび

■りくべつ鉄道体験運転 銀河コース第2回

旧北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の線路の一部を活用して運転体験を実施している「りくべつ鉄道」、昨年からついに構外を飛び出して本線上の運転ができるようになりました。

実は昨年、さっそく銀河コースの体験に赴いていたのですが、ブログにアップする機を逸してしまっていたので、今回の訪問を改めて。

今回は往復とも女満別空港からのアクセス。釧網線の沿線で少しだけ撮り鉄をしてから、、、

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鮭の遡上シーズンで、河口は釣り人がたくさん。カモメもおこぼれを狙っていました。

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で、いつものように国道242号線沿いに車を走らせ、いかにも北海道のローカル線の情景を思い起こさせる木造駅舎のある川上駅跡へ向かうと、、、

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・・・(泣)

いや、事前に今年の5月に取り壊されてしまったということは知っていたんです。しかし、その跡地には工事の現場事務所が。。。確かにお誂え向きの場所なので使わない手はないでしょうが、変容ぶりに軽くショックです。

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いままで雑草に覆われていてもかろうじて見えていた路盤もすっかり草のなか。停止位置目標とホームだけが、ここに駅があった痕跡となっていました。

さらに車を走らせて、分線駅の跡へ。

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ここも駅舎とホームは撤去され、雑草に覆われ放題で、自然に還る一歩手前といった風情です。

これまで存置されていた途中の鉄橋も今年度中に撤去の方針が示されています。

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これで「ゆくゆくは体験運転を川上駅まで」という計画も夢に終わることが確定することになりました。一連の整理は、今後の施設の維持管理の観点から、関係者におかれては現実を見据えた大きな決断をされた結果なのでしょう。このところの災害被害などを見ても、これらの遺物を残しておくことが将来的なリスクにつながることは容易に想像でき、残念ですが仕方のないことです。

そしてさらに陸別の方に近づき、銀河コースの終点までくると、りくべつ鉄道の新たな関係施設が。

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駅舎をかたどった集会所のような建物。ホームすらありませんが、いい雰囲気です。

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陸別から来た体験運転の気動車がここで折り返していきました。

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陸別駅の直近に踏切がありますが、すでに踏切は廃止されており自由に列車の往来ができないので、銀河コース体験時には、踏切をはさんで銀河コース用の気動車に乗り換える必要があります。昨年はまだ野ざらしでしたが、今年は専用の車庫ができていました。銀河コースを定着させる現れですね。

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銀河コースは1.6kmの道のり。駅構内をチマチマ往復するのとは違い、速度は遅いですが本線で運転できるのは、これまでとはまったく違うリアルな体験となります。

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「シカが出るので、ぶつかりそうだったら躊躇なく非常ブレーキを・・・」という注意を受けたりするのは、さすが北海道です。シカと衝突して体験運転が中止になったりしませんように。

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秋深まる陸別へ~りくべつ鉄道重連体験運転~

■りくべつ鉄道体験運転 Lコース第5回

北見界隈まで来たからには、次に向かうはもちろん陸別。この日がLコース体験ができる年内最後の週末だったので、順番としては石北臨貨の方が「ついで」だったかもしれません。

陸別へは留辺蘂から国道242号をひたすら走ります。

途中置戸からは旧銀河線に沿って進みますが、レールの跡も年月の経過が経つにつれて次第に自然へ還りつつあるようでした。

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営業時から木造の駅舎が趣を醸し出していた川上駅。

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ここも裏手に回れば鉄道が走っていたことはもう過去に過ぎ去ったことを如実に示す光景が広がっていました。

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毎年来るたびにだんだんに朽ちていく姿を見るのはやはりもの悲しくなります。川上橋にて。

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分線駅も木造ホームが風雪に耐えて残されていますが、踏み抜きそうで怖くて上ることはできません。

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置戸から陸別まで、国道を走っていてもすれ違う車は指を数えるほど。たまたま廃止代替の路線バスともすれ違ったものの、なかにお客さんの姿は見えませんでした。本当に寂しいところです。いまさらながら銀河線、よく頑張ったと思います。

そんな感傷に浸りながら陸別に近づくと、廃線跡が一変していました。

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きれいに手入れされて、さびているはずのレールにもうっすらと銀色の光沢が。昨年からイベント時に構内を越えて「復活運転」しているとは聞いていましたが、本格的な心意気を感じました。

陸別駅到着。今日もメーテルと鉄郎が迎えてくれました。

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構内ではモーターカーとCR70が分線の方向からやってきました。今日もなにやら作業を行っていたようです。軌道状態の様子見でしょうか。

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ところで、通常のLコースだと80分間、構内を行き来することになりますが、今回はいつもと違う楽しみがあります。あまり大々的に宣伝されていませんが、5回目から重連運転ができるようになります。

指導の運転士さんから、簡単なレクチャーを受けていきなり本番。

旗の誘導で、そろりそろりと近づいて、ガシャンとやって急ブレーキ。私はEF63の体験の方で多少経験はあるからまだなんとなくの感覚はありますが、それでもあまりに唐突に「はい、連結してみて」って言う感じででちょっと面食らいました。ちなみに旗は指導の運転士さんが外で振っているので、運転台にいるのは私だけです。かなり繊細な操作が要求される場面で、まーずいぶん信頼してくれてますね(w

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体験ということで、連結と解結を2回ほど繰り返し、ジャンパ線や空気ホースをつないで運転準備。

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きちんと幌もつないで、貫通路を開けて、準備完了。

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2両編成の列車で、一気に本格的な感じです。これを独り占めできるって、かなりの贅沢。誰も乗っていないのがちょっともったいない。

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あとは通常のLコースと同様に構内を往復。運転している感覚は1両とそれほど変わらず。やはり気動車は軽快だ。

時間がきたら、連結したときと逆のことをして、元通りに後片付け。

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連結を開放して、オマケで構内の入れ替えまでさせてもらって、終了。

どうやら、次(来年)からは、Lコース5回以上の体験者を対象に、いよいよ構外に出て運転ができるようになる予定とか。また来年もこなくては。

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三笠SL体験線延長

■S-304蒸気機関車体験運転 第16~20回

ということで、インフォメーションセンターで予想外に話し込んでしまい(久々のお客さんで離してくれなかった!?)、時間がやや押し気味の中、本題の三笠へ。

桂沢湖から幾春別を抜けて、幌内線の線路跡に合流。それから線路跡に沿って車を走らせると、SLから立ち上る黒煙が見え、力強い汽笛の音がこだましてきました。今日も無事に元気に走っているようです。

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このSL体験運転線ですが、従来は昔の出発信号機のあたりまでしか走れなかったのですが、線路は構内を外れて三笠方面と引き上げ線の二手に分かれながらまだ先まで伸びていました。それがつい先月から引き上げ線の方向に約100m程延ばして運転できるようになったのです。

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しかし、引き上げ線は勾配になっているため、ちっちゃな機関車でも煙はハンパないです。線路脇には民家もあるなか、こんなに煙をもくもくと出すものが何度も通って、住民の方にはよく理解してもらえたなと思いますが。

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ひととおり外から様子を眺めて、受付で挨拶、ナッパ服に着替えるために詰所に顔を出すと、線形の縦断図を渡してくれました。これまでの体験線は4-5‰で下って終わりでしたが、延長により全体ですり鉢状の線路を運転することになり、4-5‰で下っていったあと、最徐行でポイント通過、それから6~10‰の上り勾配を越えていくルートになりました。鉄道博物館のシミュレーターでもこんな線形だったかと思いましたが、SLで勾配の加速の調整って難しいんじゃなかったでしたっけ。これは楽しそう~♪

そんなことを感じながら、指導機関士の方に誘われてさっそくキャブへ。あ、熱いっす。

半袖でも過ごせる気温においては、ナッパ服着てボイラーの前に立つとたちまち汗が噴き出してきました。指導の機関士さんはさすが本職なのでシャツだけで乗っちゃってますが、しかしそうはいっても火傷は怖いのでナッパ服があると自分自身安心です。

まずは最初に本職の方にレクチャーをして頂いて、すぐに本番。

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やはり、勾配が豊富な線形になったので、途端に幅が広がりました。ポイント通過の際に最徐行の制限が加わって、その速度調整がなかなか難しいです。

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また上り勾配でのSLの力強さも体感できます。加減弁の微妙な扱いひとつでSLを「操っている」という感覚が実感できます。

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加減弁閉じたり、ドレイン切ったり、逆転機戻したり、、、操作は今まで以上に大忙し。少しタイミングがずれたりぼやぼやしていると、勾配が上れなくなりそうになったり、停止位置に届かなかったり、行きすぎたり、、、難易度は確実に上がりましたが、ELやDCにはない魅力を改めて感じました。

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2年振りのSL体験運転

■S-304蒸気機関車体験運転 第9~15回

ということで、寄り道をしながら三笠鉄道村へ到着しました。かれこれ2年半振りの訪問です。

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すでに午後からの体験運転が始まっており、S-304が汽笛を鳴らし、黒い煙を上げながら元気に構内を往復していました。私もさっそく控え室でナッパ服に着替えて「変身」します。

この日は私のほかに、名古屋にお住まいながらすでに50回以上をこなしているベテランの方1名、この日初回講習を受けた3名とご一緒しました。

ここでは、特に時間や回数がきちんと決められている訳ではなく、みんなでキャブに乗りながら順番にハンドルを握らせてもらうことができます。特にSLは動きがあるので、ほかの人の運転操作や、投炭の様子を間近に見ているだけでも臨場感があります。ただ、運転回数が多くなればその分、釜の状態を保たなければならない機関士さんが大変なのですが。

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釜を開けたときの熱気は、ナッパ服を着ていても大変熱く伝わってきます。そのうち投炭もさせてもらいたいと思うのですが、機関士さん曰く、素人にやらせるとスコップごと釜に放り込んでしまわないかヒヤヒヤするんだとか。

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私は2年半のブランクがあるので、とりあえずしばらくキャブで様子を見ながら運転操作を思い出すことにしました。後ろのトロッコにお客さんを乗せて走るときは、もちろん本職の機関士さんが運転します。

ベテランの体験者さんも、さすがスムーズな停車です。

イメージをふくらませて、いよいよ自分も運転席に座らせてもらいます。動かすのは逆転機、加減弁、ドレインコックそしてブレーキ。わずか300mの間に加速から減速までの一連の操作を行うので、あっちこっちのレバー操作で息をつく暇もありません。少しでも操作が遅れると、最後のブレーキの遅れにつながってきてしまいます。

久しぶりに運転してみて、やはり停車が難しい!!なかなかブレーキが言うことを聞いてくれず、思った場所に止まらずに苦労しました。ただ、SLは動力の息づかいがそのまま伝わってくる感じが、他の車両にはない魅力だと改めて感じます。

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現在体験運転できる距離は構内の300mですが、その先に残されている引き上げ線の軌道の整備が行われていました。どうやら少し距離を伸ばす準備のようです。引き上げ線は上り坂になっているので、再加速などまた違った運転方法が加わることになるのでしょうか。次回の訪問が楽しみです。

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休憩を挟みながら、お財布の許す範囲内で思う存分ハンドルを握らせてもらい、三笠を後にしました。

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今年もりくべつ鉄道出発進行

今年も昨年に引き続き、北海道ちほく高原鉄道の廃線跡を活用した「りくべつ鉄道」が営業を開始したので、再訪してみました。

北海道はまだ桜が咲く穏やかな天気でしたが、日中は東京より暑いくらい。しかし風は心地よい季節です。

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今回は旭川空港から層雲峡・留辺蘂を経由し陸別へ向かうルート。置戸からまた鉄道の痕跡をたどりながら向かいました。銀河線の主要駅は地域のコミュニティセンターとして駅舎が新しくされていたおかげで、風情はなくなった代わりにいまでもまちの顔として機能しています。置戸も然りで、建物の裏手にひっそりと鉄道の痕跡が残されています。

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こちらは小利別駅跡。ここも小ぎれいな駅舎になっていました。

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このあたりは撮影しやすい場所も多く、廃止前には何カ所かでシャッターを切っていました。レールと枕木はすっかり撤去されてしまっていますが、まだまだ軌道の跡ははっきりわかります。

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そんなこんなで陸別駅へ到着。

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いつもそうですが、ここだけはまだ鉄道の息吹が感じられる場所で、到着するとなんだかホッとします。

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今回はまた80分間のLコースで体験しました。体験内容は基本的に昨年と同じで、仕業点検に始まり、2番線を経由する往復コースと、ポイントを切り替えて1番線に乗り入れるコースの組み合わせです。しかしLコースは運転できる距離も長いですし、時間内なら好きなだけ動かすことができるのが魅力です。標準は5~6往復程度らしいですが、今回は私もLコース3回目ということで、少し多めに運転できました。

各踏切に監視員を配置する方法も同じで、日差しが強いなか1時間も遊びに付き合って頂いて、ちょっと恐縮です。

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この先は、ぜひ連結体験や2両編成での運転などをしてみたいものですが、見た目にも車両の傷みが進んでいる様子だったのが気がかりでした。また軌道も碓氷峠は60kレールのPC枕木でもともとしっかりしていますが、こちらは30kレールの木枕木で、乗り心地もそれなりです。大がかりなメンテナンスは期待できないので、車両も軌道も大事に使っていってもらいたいものです。

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銀河線の駅をたどって~りくべつ鉄道体験運転・3回目~

はやくも3回目の訪問となってしまったりくべつ鉄道。今回の渡道はこの夏限りで姿を消す特急まりもの撮影が目的だったが、ちょっと足を延ばせばということで、ついでに立ち寄ってしまった。

今回はお盆休み中なので、80分間運転し放題のLコースではなく、1回あたり2千円で構内を2往復できるSコースを2回分。Lコースでは体験証明書が発行されるが、Sコースでは証明書の代わりに硬券乗車券がもらえ、これも記念になる。

1番線側を体験乗車の車両が往き来し、2番線側を運転体験の車両が往復するという同時2両体制での運行。現役時代よりも賑やかな構内ではなのかと思う程だ。見物のお客さんも多く、構内踏切手前では一旦停止し、さらに踏切係が安全を確保しているものの、ハンドル握っているとやはり少し緊張する。

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Sコースでも運転体験としてはお手軽に十分楽しめるので、桁がひとつ違うLコースではもう少し特徴を出していってもらえたらと思う。

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この日は、青い保線用車両も表に出てきており、勢揃いだ。

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運転体験終了後、駅の跡を見ながら足寄を経由して幕別・釧路方面へと車を走らせた。まずは、川上駅と並んで木造の風格のある駅舎が残る上利別駅。

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内部には入れなかったが、改札口にはまだ時刻表が掲げられていた。

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もともと列車交換のできる駅だったが、本屋の前に数十メートル分のレールだけが残され、ここに鉄道が通っていたことを辛うじて主張しているほかは、あとは対向側のホームも撤去されて更地に戻っていた。

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~思いでの上利別駅~

次に立ち寄ったのは、愛国に並んでちょっとロマンチックな駅名だった愛冠駅。駅名と並んで、冠のようなかわいらしい駅舎も特徴。

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陸別以南のレールは基本的にすべて撤去されているようだったが、路盤の跡を眺めていると気動車が向かってくる姿が想像できる。

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そして最後は道の駅としてその役割を変えた足寄駅。

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置戸、陸別、足寄の拠点駅は立派な駅舎に改築され、結果としていまも街のシンボルとして活躍している。

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この後、ふるさと銀河線の線路跡から離れて、釧路方面へと向かった。

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北海道で気動車を操る!~りくべつ鉄道体験運転・2回目~

5月に「りくべつ鉄道」での運転を体験してから、早くも再び訪れる日がやってきました。

「りくべつ鉄道」のおさらいをすると、平成18年4月で歴史に幕を下ろした北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線の鉄道施設を活用し、素人が鉄道の運転を体験できるように整備された場所であり、国内において専用の施設で恒常的に実施しているのは碓氷峠鉄道文化むらと三笠鉄道村に並ぶ貴重な存在です。

そして特にここが他の施設と違うのはLコースという80分の体験コースで、1回1往復などという制限なく、時間内なら何度でもじっくりと運転を体験できるのが魅力です。(とはいっても、後述の点検などがあるので、5~6往復が限界ですが。)あいにく夏休み期間中の土日はそのLコースの設定がなくなるので、今回、夏休みシーズン前に再訪することとしました。

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指導の運転士さんとともに車両に乗り込み、まず最初の20~30分で各種点検~エンジン起動を行います。点検では運転台のスイッチ整備のほか、一旦外に出て床下機器の説明を受けながら、標識灯やブレーキ、連結器、ジャンパ栓、燃料、オイルなどの状態を確認します。

指導してくださるのは銀河線の運転士OBであり、さらにもとはJRで特急も運転されていたことのある正真正銘の鉄道マン。やはり実物の車両を扱うだけあり気迫が伝わってきて、自ずとこちらも真剣になります。いくら「ごっこ遊び」とはいえども一歩間違えば事故も起きかねないものを扱うので、当然のことですね。

ひととおりの点検を済ませ、構内の誘導の準備が整うと、あとはお待ちかねの実際にハンドルを握っての運転体験となります。

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運転コースは旧陸別駅構内の直線約500m。基本は途中の構内踏切でブレーキの練習を兼ねた停車または徐行を行いながら、2番線側を往復しますが、最後の方にポイントの切替を手動で行い、1番線に転線するというお楽しみもあります。

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陸別駅構内の走行風景を動画でも・・・

運転の様子はこんな感じです。運転士さんに図々しくもカメラマンをお願いしてしまいましたm(_ _)m

そして前面展望風景。これはSコースの模様を同乗して撮らせてもらいました。運転できる距離もLコースより少し短めに設定されています。

ちなみにモーターカーも動態保存されてます。この日はトロッコを引っ張って試運転中。

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構内全景。全ての車両が動態で保存してあるというのはスケールが大きいなと思うと共に、ぜひ今後も応援したくなります。

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こんな昔ながらの鉄道のローカルな光景は、映画やドラマのひとこまにも出てきそうです。ロケ地としても使えるのでは・・・

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蘇った銀河線~りくべつ鉄道体験運転~

陸別駅は道の駅が併設されており、さらに宿泊施設も兼ね備えている。廃止前はここに泊まって、夜の帳が降りた駅で佇むDCを写したこともある。

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~在りし日の陸別駅~

しかし鉄路がなくなったいまでもここは代替バスの発着点でもあり、街のシンボルとしての役割は健在で、やっと人の息づかいを感じる場所に到着してホッとした。

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元の出札窓口は十勝バスの出札窓口として使われていて、体験運転の受付もここで済ませる。駅舎内は横断幕やポスターでりくべつ鉄道の開業を祝していた。

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ほどなく案内されてホームへ。ホームには雪や雨から車両を守るための覆いが新たに設置されており、構内には6両のDCが並べられていた。もちろん銀河鉄道999がデザインされた車両も健在だ。

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そして、この日、実際に運転ができる車両とご対面~。2番線に停められているこの車両。

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指導運転士さんにドアを開けてもらい、いよいよ車内に入る。運賃箱まで営業車両のままだ。普通に考えて、列車1両を丸ごと貸切るというだけでも非日常なのだが、しかもこの運転まで独り占めしてしまうのだ。構内は遊園地的な雰囲気がまったく感じられないので、ますますリアリティがある。

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習うより慣れろというkとで、通常の体験運転ではよくある座学はそこそこに、さっそく実際に運転席に座って、エンジン始動。いままで静まりかえっていた構内に気動車のエンジン音が響き始め、一気に臨場感が増した。

りくべつ鉄道の体験運転には、構内を1往復するだけのSコースと、気動車の始動から体験ができる80分のLコースの2つのコースがあるのが特徴だ。もちろんたっぷり体験ができるLコースを選んで来たのはいうまでもない。

出区点検で各種スイッチと下回りの確認。そして、いよいよ出発となる。運転台は変速ハンドル付きのマスコンと、自動空気ブレーキの気動車としてオーソドックスな2ハンドル式。

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(体験マニュアルより)

1ノッチに入れると、エンジン音の唸りとともに、DC特有の鈍い加速が伝わってきた。そして2ノッチまで挙げるとグイッと加速度が伝わってきて、このまま3ノッチ・・・と行きたいところだが、あっという間に規定の15km/hになってしまう。ちょうど構内の入換運転をしているような感覚か。コースはポイント2箇所の通過を含む、約500m。軌道も車両の状態も良く、乗り心地も快適。

DCの運転は関東鉄道以来2回目だったが、ここでも指導運転士さんには最初の停車操作で「運転したことあるね」といって、2回目からはもう好きなようにいじらせてもらうことができた。Lコースは時間内なら、構内を何度でも往復でき、さらに途中、運転台を降りて他の体験運転ではどこでもやっていないイベントなども織り交ぜてあり(これは行ってのお楽しみということで)、満足度は高い。

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体験運転のしおりと、運転証明書。あれ、このフォーマット、どこかでみたことあるような・・・(^^;
せっかくなら碓氷峠と提携して、運転資格の共通化とかしてもらえるとうれしいな。

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まだ開業したばかりで模索している部分もあるそうで、6両の車両のメンテナンスも含めて大変だと思いますが、国内に誇れる運転体験施設として今後の発展を祈念しています。

(体験運転中は、運転に夢中でカメラを出すのをすっかり忘れてましたので、写真がありません~)

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蘇った銀河線~りくべつ鉄道へ~

平成18年5月に歴史に幕を閉じた、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線。その鉄路が、体験運転施設として陸別に蘇ったとの報を聞き、仕事の合間を縫って、さっそく日帰りで飛んできた。

置戸方面から陸別へ向かう国道では、人影はおろか、すれ違う車も数える程の寂しい状況が、国道に寄り添う廃線跡を生み出した状況を如実に物語っている、途中駅のひとつである川上駅に立ち寄ってみると、当時のままに残されている木造駅舎と赤茶けた線路と雑草の生え具合が印象深いコントラストを生み出していた。

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また、板張りのホームに掘っ立て小屋ひとつの簡単な駅舎ながら、そのままの姿で健在している分線駅跡には、よく厳しい冬を耐えていることに感嘆した。

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~往時の分線駅~

こんな風景をみたら、否が応でもまだ鉄道が健在だった頃に訪れたときのことを思い出し、感慨に浸ってしまう。

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~在りし日の銀河線~

しかし、そんな思いは陸別駅に到着すると、一変した。・・・続きます。

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